先に結論:投資初心者に必要だったのは「お金の現在地」を見ることだった
投資を始めると、まず「何を買うか」に意識が向く。
NISAで何の投資信託を選ぶか、個別株ならどの銘柄か。ネットで調べると情報はいくらでも出てくるし、YouTubeを開けば「初心者向け」の動画が山ほどある。でも自分が最初に困ったのは、そういう話より前のことでした。
「自分は今、いくら持っているのか」が分からなくなった、ということです。
現金はいくらあるのか。カードの引き落としはあといくら来るのか。投資に回しているお金はどれくらいになっているのか。口座がいくつかに分かれていて、全体が一切見えていなかった。
そういう状態で投資をしていると、どこかずっと落ち着かない感覚がある。増えたのか減ったのか、生活費は足りているのか、なんとなく不安なまま月が過ぎていく。
マネーフォワードMEを使い始めたのは、投資成績を毎日追いかけるためではありません。
「今のお金の現在地」を確認するためです。それだけで、ずいぶん気持ちが落ち着くようになりました。
マネーフォワードMEを細かい家計簿として使い切るというより、続けられる距離感で見る。この感覚は、
家計簿が苦手でもマネーフォワードMEを続けられた理由でも書いています。
投資を始める前は、銀行残高くらいしか見ていなかった
投資を始める前、自分が日常的に確認していたのは給料口座の残高くらいでした。
給料口座はゆうちょ銀行で、昔はATMへ行って通帳を記帳しないと残高が分からなかった。
ネットバンキングやスマホアプリが当たり前になる前の話ですが、その習慣がずっと続いていたので、「お金の流れをリアルタイムで把握する」という感覚がそもそもありませんでした。給料が入る、使う、月末に残高を見る。それだけでした。
カード払いが増えてきてから、この感覚が少しずつずれ始めました。
クレジットカードは使った瞬間には引き落とされない。来月の引き落とし分がいくらあるか、ちゃんと把握できていないまま月を過ごしていると、「銀行の残高はあるけど、実際いくら使えるんやろ」という状態になる。
残高を見ても、そこからカードの引き落としがいくら来るのかが頭に入っていないと、実態より余裕があるように見えてしまう。
投資を始める前から、すでにお金の全体像が見えていなかったと思います。
口座が4つに分かれていて、全体像が見えにくかった
投資を始めた頃、自分の口座はざっくり4つに分かれていました。
- ゆうちょ銀行:給料振込と生活費用のメイン口座
- 三菱UFJ銀行:保険の引き落とし用
- 住信SBIネット銀行:SBI証券と合わせて使う口座
- ソニー銀行:住宅ローンを借りるために作った口座
それぞれに役割はありました。ゆうちょは給料が入って生活費を出す場所。UFJは保険の引き落としがあるから残している。SBIは証券口座と連携させて使いやすい。ソニー銀行は住宅ローンの関係で作った。
ただ、口座が分かれているということは、「今いくら持っているか」を把握しようとしたとき、全部を足し合わせないといけないということでもある。
ゆうちょにはこれくらい、UFJにはこれくらい、SBIにはこれくらい……頭の中で足し算しても、証券口座の評価額はどうなっているのか、カードの引き落としはどこからいくら出るのか、全体を正確につかむのはなかなか難しかった。
「銀行にはお金ある気がするけど、カードの引き落としどれくらいやろ」という、なんとなく曖昧な感覚が続いていました。
その後、住宅ローンは住信SBIネット銀行へ借り換えました。
ソニー銀行は今も使っていますが、住宅ローン用ではなく、家電の買い替えや車関係の費用を積み立てる口座として使っています。使い方が変わったことで少し整理されましたが、口座の数自体はしばらく変わりませんでした。
マネーフォワードMEにこれらを全部連携させて初めて、「ああ、自分はこれだけ持っていて、これだけ出ていく予定があるんか」というのが一画面で見えるようになりました。
それまでは頭の中でバラバラに把握していたものが、ようやく一か所にまとまった感じがしました。
最初の個別株は「決めた範囲でやりくり」だった
最初に個別株を買ったとき、あらかじめ「投資に回す金額はここまで」と決めていました。
その金額を証券口座に入れたら、あとはその範囲でやりくりする。追加でどんどん入金するのではなく、まず決めた枠の中でやってみる感覚でした。
生活費とは完全に分けたお金で動かしていたので、「これは投資用の枠。ここから出ていっても生活は変わらない」という気持ちで見ることができていた。
ただ、実際に株価を見始めると、想像以上に気になるものです。
仕事から帰ってきて、スマホで株価を確認する。上がっていたらうれしいし、少しほっとする。下がっていたら「これ、このまま持っておいてええんやろか」と考え始める。
長期投資のつもりで買っていても、毎日見ていると短期的な値動きに引っ張られそうになる感覚がありました。
でも生活費に手を出すやり方はしませんでした。
枠を決めていたことで、「この範囲で動いている話」という感覚が保てていたと思います。
当時の自分には「資産を大きく増やしたい」というより、「まず投資というものがどういうものか、自分で体感してみたい」という気持ちの方が強かった。
だから枠を決めて、その中でやってみることが自分には合っていました。
つみたてNISAで「現金比率」が気になり始めた
個別株をしばらくやった後、つみたてNISAを始めました。
つみたてNISAは毎月自動で投資信託を買っていく仕組みです。設定してしまえば手間がかからない。最初はそこが気に入っていました。「勝手に積み立ててくれるなら、あとは放っておけばええんかな」と思っていた。
でも、実際に始めてみると少し違う感覚が出てきました。
毎月自動でお金が出ていくということは、自分が意識していなくてもお金が動いているということです。
個別株の時は、証券口座に入れた金額が目に見えていた。
でも積立投資が加わると、証券口座の評価額は毎月少しずつ変わるし、現金がどれくらい残っているのかが感覚でつかみにくくなっていきました。
「今、現金ってどれくらいあるんやろ」
その疑問が、つみたてNISAを始めてから初めてはっきり出てきました。
個別株の枠とは別に、毎月積み立てが出ていっている。生活費はゆうちょから出ていく。カードの引き落としもある。全部を足したり引いたりしないと、今の自分の現金がどれくらいなのか分からない。
資産全体を一か所で見る必要があると、ここで初めて本気で感じました。
マネーフォワードMEで全体像が見えるようになった
マネーフォワードMEに口座を連携させてから、自分が主に確認するようになったのは3つです。
- 資産総額:現金・カード・証券口座を合わせた全体の数字
- 推移グラフ:先月と比べて増えているか減っているか
- 現金比率:資産全体のうち、現金がどれくらいの割合を占めているか
配当の履歴や個別の銘柄ごとの損益はそこまで細かく見ていません。
自分にとって一番知りたかったのは「今、現金をどれくらい持っているか」だったので、それが見えれば十分でした。
投資をしていると、評価額が動くので資産総額も毎日変わります。
でもその変動の中で「現金はこれだけある」「カードの引き落とし後もこれくらいは手元に残る」という部分が数字で見えていると、気持ちが安定しやすい。漠然と「お金はある気がする」という状態より、数字で見えている方が判断しやすくなる。
積立投資を始めてから現金比率が少しずつ下がっていくのも、グラフで見えるようになりました。
それを見て「少し積立額を調整しようか」と考えるきっかけにもなりました。マネーフォワードMEは投資の判断をするためのツールではないけれど、「今の状態がどうなっているか」を確認するためのツールとして使っています。
投資だけでなく、固定費も同じで、まず全体が見えないと判断しづらいです。
固定費の見方はマネーフォワードMEで固定費を見つける方法にもつながる話だと思っています。
ただ、全部見すぎるとしんどくなる
正直に書いておくと、マネーフォワードMEを使い始めた頃は、証券口座も含めた資産全体を毎日確認していました。
連携して全体が見えるようになったのが嬉しくて、朝起きたら確認して、夜寝る前にも見て、という感じで。
でもこれが、思った以上にしんどかった。
株は上がったり下がったりします。それは分かっていた。でも毎日見ていると、頭では分かっていても気分が動く。
評価額が上がった日は「ちょっとくらい余計に使ってもええかな」と気が大きくなる。
下がった日は「これ、まだ持ち続けてええんかな」「もう少し下がったら売った方がいいんかな」とそわそわする。
自分は投資のプロではありません。
どちらかというと、小心者だと思っています。株が下がったニュースを見ただけでも少し気になるくらいには、精神的に強くない。そういうタイプが毎日資産額の増減を見ていると、じわじわと消耗していきます。
だから今は、マネーフォワードMEで普段見るグループを分けています。
日常的に確認するのは、銀行口座とクレジットカード中心のグループ。
生活費がどう動いているか、カードの引き落としがいくら来るか、その辺りを見るためのグループです。証券口座込みの資産全体は、そのグループには入れていない。毎日見ると気分が揺れるので、月に一度くらい、落ち着いた時間に確認する程度にしています。
これだけで、かなり気持ちが楽になりました。
全部が見えるようにすることが目的ではなくて、自分のメンタルに合った見方をすることの方が、長続きするうえでは大事だと思っています。
自分に合う距離感で見る、という意味では、
マネーフォワードMEを続けられた理由と同じ感覚です。毎日完璧に見るより、続く見方にしておく方が自分には合っていました。
dカードは正直、相性が微妙だった
カード管理の話も書いておきます。
以前はdカードをメインで使っていた時期がありました。
ドコモユーザーだったこともあって、ポイントが貯まりやすいという理由で使っていた。でもマネーフォワードMEと組み合わせて使っていると、反映タイミングが少し気になることがありました。
「今月いくら使ったか」をマネーフォワードMEで確認しようとしても、タイムラグがあって実際の利用額が反映されていないことがある。
これが家計管理の面では少しストレスで、「今月どれくらい使っているのか」がリアルタイムでつかみにくい時がありました。
その後、SBI証券での積立投資を始めるタイミングで、三井住友カード(NL)を使うようになりました。
SBI証券のクレカ積立では、三井住友カードを使って積み立てるとVポイントが貯まる仕組みがあります。ただし、ポイント付与率や条件は、カードの種類や利用状況、制度変更によって変わる可能性があります。最新の条件は必ず公式サイトで確認してください。
ここで言いたいのは、このカードが絶対におすすめという話ではありません。
家計管理をするなら、自分が使った金額が見えやすいカードを選んだ方が楽だった、という話です。カード選びと家計管理ツールの相性は、意外と日常のストレスに影響すると感じています。
証券口座をSBIへ寄せた話
投資を始めた頃、証券口座が3つに分かれていました。
日興証券、松井証券、SBI証券です。
それぞれ使い始めた経緯があって、気づいたら分散していた。
最初は日興証券から入って、次に松井証券も使ってみて、SBI証券はネット銀行との連携が便利だったので追加した、という流れです。
マネーフォワードMEに全口座を連携させて全体を見るようになってから、「これ、管理しにくいな」と思うようになりました。
それぞれにいくら入っているか、どんな銘柄を持っているか、バラバラに確認しないといけない。見える化したことで、逆に「整理したい」という気持ちが出てきました。
最終的にメインをSBI証券へ寄せました。
これはSBI証券がおすすめという話ではなく、自分が使いやすい形に整えた結果です。住信SBIネット銀行との連携や積立の設定がまとめやすかったという理由が大きい。口座が一か所に集まってから、全体の把握がずいぶん楽になりました。
投資を始めてから、自分が先に見ておけばよかったこと
投資を始めると、どうしても最初は銘柄選びや利回りの話に目が向きます。
それは自然なことだと思います。自分もそうでした。
でも実際にやってみて感じたのは、銘柄より先に「今いくら持っていて、どこまでを生活費として残すか」を見えるようにする方が大事だったということです。
積立投資を始めると、毎月自動でお金が出ていきます。設定してしまえば手間がかからない分、「いつの間にかお金が動いている」という感覚が続く。
その時に現金・カード引き落とし・投資へ回している金額が見えていないと、「足りているのか、足りていないのか」がずっと曖昧なままになります。
曖昧なままでも投資は続けられる。でも、どこかそわそわしながら続けることになる。自分はそれが嫌で、全体が見える状態にしたかった。
マネーフォワードMEは、投資で勝つためのツールではありません。
自分にとっては、お金の現在地を確認するためのツールです。それだけで、気持ちがずいぶん落ち着くようになりました。
投資の前に生活費や固定費の流れを整えたい人は、
固定費見直しロードマップのように、まず毎月出ていくお金を見直すところから考えるのもありだと思います。
まとめ:投資初心者こそ、まず資産全体を見えるようにした方が安心だった
投資を始めてから、資産全体を一か所で見る必要性を感じるようになりました。
口座が分かれていると、「銀行にはお金がある気がするけど、実際どれくらいあるんやろ」がなかなか分からない。
カードの引き落とし・積立・個別株が加わると、さらにその感覚がずれていく。マネーフォワードMEで資産総額・推移・現金比率が見えるようになってから、その漠然とした不安はだいぶ減りました。
ただし、全部を毎日見るとメンタルが揺れる。
だから今は銀行とカード中心のグループを日常の確認用にして、証券口座込みの全体は月に一度くらいしか見ないようにしています。
投資では何を買うかも大事です。
でもその前に「今いくら持っていて、どこまでを生活費として残すか」を見えるようにする方が、自分には大事でした。
完璧に管理しようとしなくていい。
まず見えるようにすることから始めた方が、長続きすると思っています。

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